高校で教師をしている関係で、生徒から地球環境について訊かれたり、その悪化原因を問われたりすることがよくあります。
普段、地球環境のことを授業中に触れたりするからだと思いますが、その中でもよく訊かれることがあるのがロケットや車に関することです。
ロケットは地球外で人類が住めるところはあるのかという疑問から、車については排気ガスが地球環境を悪化させている一因だと認識しているからだと思われます。
よってロケット・車に共通するエンジンを開発するときに使う熱流体解析に関することを調べ、生徒に投げかけてみました。

噛み砕こうとしても噛み砕けない

熱流体解析が行われる場面は、それが持つ流れや熱の移動を解析して製品の設計に活かすときです。
自動車や航空機の世界で、エンジンや機体の周りをどのように流れるかを解析することは、性能に大きく影響しますから熱流体解析は重要な意味を持つことになります。
また粘性や圧縮性など固有のものがあり、その流体によって性質が変わります。
したがってコンピューターを使って数値的に方程式を解く必要があり、近似的に解を求める必要が出てきます。
これが熱流体解析の基本で、これに持っている温度をはじめ、粘性係数・圧縮性・流速・密度などのさまざまなパラメーターがあり、これらを変化させて、どのような動きや分布をするのかを数値的に予想することが解析作業です。
これは単一の環境下や複数の流体が存在する環境下などで行われ、結果は条件によって無数にあります。
車やロケットなどが動く周囲の環境は、連続してめまぐるしく変化するわけですから、いくらコンピューターが計算をするとは言っても、その条件を考えるのは人なわけですから、机上で勉強しても何がなんだか分からなくなってくるのです。

生徒たちを混乱させてしまい反省

更に熱流体解析には、流体が流れる金属などの物体の熱容量や体積・熱伝導率・膨張率などの、複数の外乱と言っていいほどの影響を及ぼすものが存在します。
単に流体力学を学び、その熱パラメーターだけを変化させて解析してもダメなのです。
したがって私が少し勉強したくらいでは体に刻まれるくらい知識が身に付きません。
これは実験や研究を徹夜で行ったり考察したりして、さまざまな他の知識を総動員し長年かけて勉強しないと他人に説明できるレベルに到達しません。
ですから生徒に熱流体解析はこういうものだと言って教えても、ほとんど概念レベルのことしか伝えることができませんでした。
生徒も分かったような分からなかったようなポカンとした顔をしたものが大勢いました。
それはそうでしょう、説明する本人が完全に分かっていないのですから人に分かるように説明することなどできる訳がありません。
生徒には混乱だけさせてしまったようで反省しています。
でも、少しでもこういう分野の学問があるということ、あるいは興味を持ってくれる生徒が1人でもいたらいいなと考えています。